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作成日時 : 2007/09/13 11:45
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東海テレビ 2006年7月3日〜9月29日放送(全65話)
#最終回「残酷なもの」
警察に連行される類子は立ち止まり、崩れ落ちていた澪の傍に寄り
「・・・澪さん。ごめんなさいね」と玄関を出ていく。
類子の後姿を見ながら澪は思い出していた・・・
不破に撃たれ倒れていた槐が、かすかに口を動かし
「何?何なの、槐!」
澪は槐の口元に耳をやる
「俺だ・・・俺のせいだ・・・すまない・・・類子・・・」
その言葉に、澪は愕然とした。
澪は玄関を飛び出して類子たちを呼び止める。
「私、本当の事を言うわ。私が目にした事、何もかも」
現場検証の最中にレイは警察に事情聴取を受けながら
テラスで類子と澪が話している姿を見ていた。
類子は澪に言う。
「黙ってればよかったのに。何故喋ったの?」
澪は静かに一点を見つめ
「このまま嘘を突き通せば私、自分がますます暗い星になる。そう思ったから」と・・・
「以前私が絵本に描こうとしてたスピカの話、覚えてる?」
「ああ・・・確か、明るい星と暗い星が喧嘩して、片方が湖に落ちるんだったわね。
そう言えば、落ちたのはどっちの星かまだ聞いてなかったわ」と類子。
「それを決めるのは類子さん、貴女自身よ」
類子が澪を振り返る。澪は類子に歩み寄り
「あれはね、絵本を読んだ人が、自分は明るい星だと思っていれば、
落ちたのは暗い星だと思い、自分が暗い星だと思っていれば、落ちたのは
明るい星だと思う。そういう作りになっているの。
類子さんは私を、苦労知らずの明るい星だと思っていたかも知れないわ。
でも、私からすれば類子さんは、私と違っていつもまぶしいくらいに
輝く明るい星だった。もちろん今もよ」
澪は何だか吹っ切れた表情を浮かべる。
「それに私、今度の事で、改めて自分の中の暗い星に気付いたの。
類子さんを苦しめようと、あんなとんでもない嘘の証言をするなんて。
私の心にも、確かにある暗い星・・・」
「それは何も澪さんだけじゃない。私だって・・・」
悲しそうな顔をする類子に澪は言う。
「ええ。人は誰でも心の中に必ず、明るい星と暗い星、二つの星を持ってるんだわ。
そう気付いて私、絵本の最後を少し書き直そうと思うの。明るい星と暗い星は
互いに相手を傷つけたけど、でも、その事で一番傷ついたのは、他でもない、
自分自身だったって。それからもう一つ・・・私、貴女に嘘をついてたわ」
澪は自分のバッグから、一枚の紙を取り出した。
「これよ」
類子はその紙を見て驚く。
「澪さん、これ・・・」
そこに刑事が来て澪に言った。
「すみません。さっきの話、もう一度お願い出来ますか」
と澪を呼びに来る。
類子はその惨劇を思い出していた。
撃たれた槐が血に染まり倒れこむ。類子は不破にすがりつき
「やめて!!私を撃って!代わりに私を。さあ!」
銃口を自分の胸に突きつける類子。
「あなたを騙して結婚したのは私。邪魔になった敬吾を殺したのも私。
この男は、ただ私に利用されただけの哀れな男」
不破は類子の目を、哀しみに溢れた目で見つめて言う。
「俺はお前に出会い、今一度人を愛し命の炎を燃やすことが出来た。悔いはない」
類子は銃を持ち、その銃口を不破に向ける。
その時、澪がサロンに飛び込んで来た。
その瞬間、類子は、銃口を自分の首に突き付け、覚悟を決め目を閉じる。
だがその銃を、不破が奪い取り自分の首へと突き付ける。
目の前の光景に驚愕する澪。
そして不破が自ら引き金を引く。
・・・銃声。
事情聴取を受けていた澪は、刑事に言った。
「これに、間違いありません。不破さんの死は、自殺です」
澪の言葉を聞き、安堵するレイ。テラスにいる類子に目をやった。
類子は湖を見つめながら大粒の涙をこぼす「あなた・・・許して・・・」
二年後・・・
別荘のテラスに立って湖を見つめる槐。その手には杖が握られている。
サロンでは百香が、ベビーカーに乗せられた赤ちゃんの頭を撫でていた。
レイと澪が、笑顔でお茶とケーキを持って入って来る。
レイ「さあおチビさんたち、おやつよ」
澪「百香ちゃん、パパも呼んできて。お茶にしましょうって」
百香「はーい」
百香はテラスに行き、立っている槐に言う。
「パパ、おちゃにしましょうって」
槐「うん、今いく」
百香は槐の視線の先を見て言う。「いつもなにみてるの?」
槐「・・・うん。風をね、見てたんだ」
そんな二人の姿を見て、澪はレイに尋ねる。
「槐はいつもあんな風なの?」
「暇さえあればああやって、テラスでじっとしてるわ。まるでセミの抜け殻のよう」
「敬吾の件は、あのあと嫌疑不十分で不起訴になったままなんでしょ?」と澪。
「そうよ。何しろ、槐は全て自分がやったって言うし、類子さんは類子さんで、
自分が首謀者だって言い張るし。二人の言い分は全くの平行なんだもの。
おまけに二人の自供以外、証拠らしい証拠もないんじゃ裁判のしようがないし。
湖に槐が捨てたっていう銃だって、結局見つからなかったしね」
澪はテラスの槐を見る。
「それに、恒大さんが持ってた誓約書。どこ行ったのかしら。貴女、知らない?」
とレイは澪に問うが澪は「いいえ」と・・・
・・・澪は思い出していた。
あの惨劇の日、不破から届いた速達便。
中には類子の誓約書・焼け焦げたハンカチの切れ端。
そして、この証拠をどうするかは澪に任せるという、不破からの手紙。
澪はそれらを全てキッチンで燃やしたのだ。
澪はレイに尋ねる。
「それより、類子さんの行方、まだ分からないの?」
「ええ。恒大さんの死が自殺って決まったあと、どういうわけか、相続を放棄してね。
あれから2年。今はどこでどうしてるんだか。槐ったら、ろくに探そうともしないのよ」
そして・・・レイはまた話し始める。
「だけど貴女、ご活躍ね。絵本作家としてもそうだし、あの後ロスへ行ったと思ったら、
こんな可愛い子まで授かって。叔父様達もお喜びでしょ?」
「ええ。相手が売れない音楽家ってのが気に入らないみたいだけど」
レイは笑って赤ちゃんに言う。「欲張りね」
澪も笑う。
そこに、百香が来て言った。
「パパ、あとでいただくって」
レイ「そう。じゃ百香、手を洗ってらっしゃい」
百香「はーい」
サロンから出て行く百香。
「結局、不破家の相続人は槙村の血を引くあの子一人」とレイ。
澪はテラスに出て、槐に声をかけた。「槐」
槐は振り返り「すみません。せっかく来て下ったのにお相手も出来なくて」
「いいのよ、気にしないで。ねえ、槐。類子さんの事だけれど。
あの事件が起きたとき、類子さんは槐の事を愛してないって何度もそう言ったわ。
でもあれは、私が貴方と入籍したなんて言ったから・・・だから類子さんは・・・」
澪はあの日、テラスで類子に一枚の紙を見せた。
「澪さん、これ・・・」それは槐と澪の、婚姻届。
「槐とは私、まだ結婚してないわ。類子さんが槐の事を愛してないと言ったのは、
私の事を思って?だとしたら、謝らなきゃいけないわ。ごめんなさい・・・許して・・・」
涙ぐむ澪に、類子は言う。
「いいえ。澪さんのせいじゃない。私は、不破の愛を裏切った罪を、
私なりに償いたかった。あの人は乱暴だったけど、でも、私を思う気持ちに
嘘はなかったわ。私はそれを裏切ったんですもの。その罪は大きい・・・」
と不破に思いを馳せる類子。
「だから、槐を愛してないなんて言ったの?自分の気持ちに、嘘をついてまで?!」
類子は悲しそうに微笑んだ・・・
澪は槐に言う。
「愛してない。それは、彼女なりの愛の言葉だわ。
愛してないと言う事で、自分の罪を償おうとしただけじゃない。
共犯者にせずに済むよう、守ろうとした。彼女は間違いなく貴方を愛してるわ、槐」
「だからと言って、私に愛を受ける資格はない。敬吾の命を奪ったんだ。
いっそあの時、殺されるべきだった」
空を見つめて槐は言う。
「今は敬吾の子を育てること。それが死ねなかった私の償いだ」
槐は撃たれた後遺症で曲がらなくなった左足を引きずりながら、
ゆっくりとサロンに向かった。その後姿を見つめる澪。
かつての、類子の部屋。
ガラスのふくろうを槐は手に取って眺めているとレイが入って来る。
「やっぱりここだったのね。澪さん達、帰ったわよ」
ベッドに腰を下ろす槐に、レイが言う。
「ねぇ、槐。貴方、モンマルトルの壁抜け男の話は知ってる?
ある日突然、壁を自由に通り抜けられるようになった男がいてね」
槐はレイの顔を見る。
「どんなお屋敷だろうと、物の見事に忍び込んでは、お金や宝石を散々盗んでた。
ところが恋した途端、壁から抜けられなくなって。今でもモンマルトルの丘に行けば、
壁に体を半分閉じ込められたまま身動きできずにいる哀れな男の姿があるわ」
力ない表情の槐をレイは見て言う。
「でも、誰も恋した彼を笑えない。人は誰でも、
何かを愛さずには生きてはいけないものだから」
レイは槐の肩に手を載せて微笑むと、部屋から出て行った。
槐はガラスのふくろうを見つめ、類子の言葉を思い出す。
「私は何も、欲張った夢を見たわけじゃない。私が欲しかったのは
たった一つのぬくもり。たった一つの愛・・・」
槐の瞳から、大きな涙がこぼれ落ちる。「類子・・・許してくれ・・・」
海を見下ろす丘。白い帽子を被った類子が、お墓の前に立っていた。
類子は花束を置いて手を合わせた。不破に、類子は語りかける。
「あなた。今日の海はどう?岩田さんと一緒に、今はどの海を走ってるのかしら。
敬吾さんとも、あまり喧嘩をしないでね」
類子は立ち上がり、不破がいるであろうはずの海を眺めた。
槐は自動車で「墓」に向かっていた。
その時、前方から白い帽子に白い服の女性が歩いていた。
類子は車が通り過ぎると、そっとその車を振り返った。
すれ違う二人。槐は気付かない。
槐は花束を持ち、杖をつきながらゆっくりと「墓」へと歩く。
すると槐は、「墓」に手向けられた花束がある事に気が付く。
「まさか・・・類子?」
槐は周囲を見渡し、何度もその名前を叫ぶ。
「類子・・類子・・類子・・類子!!」
槐は来た道を車で戻る。類子の姿を探しながら。
類子は近くの遊歩道を歩いていた。
類子はつり橋に立つ。
せせらぎを聞きながら思い出すのは、槐と結ばれたあの日の事・・・
星を観に行く途中の河で、槐と見つめあった事。
類子は懐かしそうにその場を歩き出した。
その時、風に類子の帽子が飛ばされる。
その頃槐は車を降り、杖をつきながら川辺へと降りていた。
ハンカチを河の水で絞っていると、流れ着いていた白い帽子を見つける
槐は思い出す。類子に出会った日、類子の赤い帽子が風に舞った事を。
槐は帽子を取ろうとするが足は言う事をきかず河にはまってしまうが、
ようやく帽子へとたどり着くと、その視線の先に類子を見つける。
河の中の槐の姿を見て驚く類子。「・・・槐?」
振り返って逃げようとする類子に、槐は叫ぶ。
「類子!」
類子は立ち止まり、振り返る。
不自由なその体で懸命に類子に駆け寄ろうとする槐。
類子は叫ぶ。「来ないで!」
槐は叫ぶ。「類子!!」
河の流れが槐の動きを阻み、杖が水にさらわれてしまう。
それでも這うようにして水の中を進む槐に、類子は思わず駆け寄る。
岸の岩に辿り着いた槐に、類子は言う。
「言ったはずよ!愛してないって!」
類子の顔を間近に見て、槐は言う。
「類子。・・・愛してる」
類子の目に涙が浮かぶ。「槐・・・」
テラスで、百香の吹くシャボン玉を見上げてレイが言う。
「ねえ、百香。人の心は醜いわ。でも美しい。
愛は残酷。でも愛は、やはり美しい・・・」
槐と類子は唇を重ねる
(終)
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途中から観はじめハマってしまったドラマ。
ドラマのBBSでもDVD化の要望が高かった作品。
以前放送してた「危険な関係」もこの手のドラマだった
(DVD化はされていない)
2007.9現在「金色の翼」が放送中・・・。ある意味3部作なのか
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